10-1 世界に広がるLEDビジョンの潮流
LEDビジョンの進化は、日本だけにとどまらない。世界の都市や施設では、広告や情報表示を超えて、“体験型・演出型メディア”として活用が進んでいる。
ここでは、代表的な国・地域における事例と傾向を紹介する。
10-2 アメリカ:巨大広告とイベント演出の本場
アメリカは、OOH(屋外広告)の先進市場であり、インパクト重視の巨大LEDビジョンが多数設置されている。
● タイムズスクエア(ニューヨーク)
- 一帯がLEDビジョンで覆われ、ビルの壁面が“動く広告”に
- ビジョン同士が連携し、360度の没入型演出を実現することも
- 明るさ・カラー表現・コントラストが重視されており、最新機種が投入される競争の場でもある
● スーパーボウル/スタジアム演出
- 試合中だけでなく、ハーフタイムショーでの映像演出が注目される
- 巨大LEDリボンビジョンと音響・照明の同期制御が高度化
10-3 中国・マカオ・ドバイ:都市レベルのLED化
中国・中東エリアでは、都市開発とともにLEDビジョンが**“建築物の一部”として組み込まれる事例**が増えている。
● 深圳:LEDメーカー本拠地の最前線
- UniluminやAbsenなど主要メーカーの本社・ショールームが集積
- 屋内外を問わず裸眼3D映像を用いた広告が都市空間を飾る
● マカオ・ドバイの高級リゾート
- ホテル外壁が“丸ごとLED”という規模感
- インタラクティブ映像やタッチ対応のLEDフロアなど、「観る」から「参加する」映像へ
10-4 韓国:デジタルアートとサイネージの融合
韓国・ソウルでは、LEDビジョンが広告媒体としてだけでなく、都市アートやデジタル公共物としての役割を果たし始めている。
● Coex K-POP Square
- 超大型の裸眼3D LEDビジョン(横81m × 縦20m)を設置
- 通行人のSNS投稿や体験動画が拡散し、街そのものがPRメディア化
● スマートシティ対応ビジョン
- バス停・駅構内・横断歩道など、街全体が“表示面”として再構築されつつある
10-5 日本との比較と今後の課題
日本ではLEDビジョンの設置数は徐々に増加しているが、法規制・景観配慮・投資対効果などの課題により、海外のような大胆な導入には慎重な傾向がある。
| 項目 | 日本 | 海外(米中韓など) |
|---|---|---|
| 明るさ・演出自由度 | 限定的(条例制限あり) | 自由度が高く商業演出重視 |
| 補助金・支援制度 | 地方中心/個別案件ベース | 国家主導の都市開発に紐づくことも |
| 投資判断 | 慎重・ROI重視 | 話題性・先進性重視 |
| デザイン統合 | 看板扱いが多い | 建築・都市演出と一体設計 |
今後、日本でも「デジタル田園都市構想」や「スマート観光案内」などにより、LEDビジョンの公共的役割が増す可能性がある。
10-6 国際展示会レポート:最新動向と注目技術
LED業界では毎年、複数の国際展示会が開催されており、最新技術の発表や商談の場として活用されている。
● LED CHINA(中国・深セン/上海)
- 世界最大級のLED展示会
- Absen、Uniluminなどフルラインナップ展示
- 製品トレンド:COB/GOB高精細モデル、透明LED、エッジレス設計
● ISLE(広州)
- 屋外・屋内用のビジョンから舞台演出機材まで幅広く出展
- 中小メーカー・OEM製品も多く、仕入れ先開拓のチャンス
● ISE(オランダ・バルセロナ)
- 欧州最大の総合映像技術展示会
- LEDビジョンとAV機器・演出照明・XR技術の融合がテーマ
- 建築×デジタル×映像の最新事例が多い
● DSE(Digital Signage Expo/米国)
- サイネージに特化した米国展示会(年1回・ラスベガス)
- 小売・医療・教育分野での導入事例が豊富
- 再生ソフト・CMS・AI連動配信の進化に注目
10-7 展示会で得られる「本当の情報」
カタログやWebだけでは見えない情報も、展示会では直接確認できる。
- 実機の発色・視認距離・視野角を体感できる
- メーカーとの商談・価格交渉・サンプル取得が可能
- 競合製品を比較・撮影・持ち帰りできるため、社内説得に有利
展示会参加は、「導入検討前の最短ルート」であり、失敗しないLEDビジョン導入の第一歩である。
まとめ|世界の潮流と展示会レポート
世界ではLEDビジョンが「都市体験」「空間アート」「インタラクティブメディア」へと進化しています。
展示会や海外事例からヒントを得ることで、日本でも“見るだけ”を超えた新しい使い方が模索できます。
一歩先のアイデアを、現場にどう落とし込むかが今後の勝負です。

