第2章|LEDビジョンの構造と仕様を理解する

LEDビジョン実践ガイド

2-1 LED素子の種類と特徴

LEDビジョンの「心臓部」となるのが、光を発するLED素子である。これらの種類によって、画質・視認性・価格帯が大きく異なる。代表的な素子には以下の4つがある。

● DIP(Dual In-line Package)

  • 3つのカラーLED(赤・緑・青)が個別に配置されており、耐候性・高輝度に優れる。
  • 主に屋外の大型看板用途で使用。
  • 視野角が狭く、近距離からの表示には不向き。

● SMD(Surface Mounted Device)

  • RGBの素子が1つのパッケージに収められた表面実装型。
  • 屋内用/中小型ビジョンで主流。高精細・広視野角。
  • 屋外対応品も登場しており、DIPからの置き換えが進む。

● COB(Chip on Board)

  • LEDチップを基板上に直接実装。黒背景でコントラストに優れ、傷や汚れに強い。
  • 高精細×高耐久を両立し、今後の主流候補とされている。

● GOB(Glue on Board)

  • SMD素子を樹脂でコーティングした耐衝撃・耐水仕様。
  • 屋外や高頻度メンテが必要な現場に強い。

用途と設置環境に応じて、「高精細」なのか「高輝度」なのか、「耐久性重視」なのかを明確にして選定することが重要だ。


2-2 モジュールとキャビネットの構造

LEDビジョンは、モジュール(単位パネル) → キャビネット(枠) → 全体構成というように、小さな単位の組み合わせで成り立っている。

● モジュール

  • 1枚のパネルで、基板・LED素子・駆動ICが集約されている
  • サイズは160×160mm、192×192mmなど規格が複数存在
  • 1キャビネットに数枚組み込まれる

● キャビネット

  • モジュールを収める金属製のユニット(筐体)
  • アルミ・鉄・マグネシウムなど素材も多様
  • サイズ例:960×960mm、640×480mm など
  • 防塵・防水等級(IP)も重要な評価基準

● 全体構成

  • 数十枚〜数百枚のモジュールが並び、1面のLEDビジョンとなる
  • フレーム設計や鉄骨との接続方式によって、メンテナンス性・安全性が決まる

2-3 スペックで読み解くLEDビジョンの性能

LEDビジョンは「見た目の映り」だけでなく、スペック表に記載された数値がその実力を物語る。ここでは、現場で最も重要視される項目を解説する。

● ピッチ(Pixel Pitch)

  • LED素子同士の距離(単位:mm)
  • 小さいほど高精細。屋内は1.5mm以下、屋外は4〜10mmが主流

● 解像度

  • 表示可能なドット数(横×縦)
  • ピッチと設置サイズによって決まる
     (例:ピッチ3.9mm × 横幅4m → 約1024ピクセル)

● 輝度(Brightness)

  • 画面の明るさ(cd/m²)
  • 屋外用は5,000〜10,000cd/m²、屋内は1,000〜2,000cd/m²
  • 輝度自動調整機能(センサー連動)を搭載する製品も多い

● 視野角(Horizontal/Vertical Viewing Angle)

  • 斜めから見たときの見やすさを示す
  • SMDやCOBは140度以上が一般的

● リフレッシュレート(Refresh Rate)

  • 1秒間に画面を更新する回数(Hz)
  • 3,840Hz以上であればカメラ撮影時にちらつかないため、動画広告にも対応

● 屋内用/屋外用の違い

  • 防塵防水性能(IP等級)
  • 明るさ・素材・重量設計が異なる
  • 屋外用は過酷な環境への耐性が求められる

2-4 スペック表の見方とチェックポイント

LEDビジョン製品には、多くの数値が羅列されたスペック表が付属している。これを読み解けるようになることが、製品選定や業者比較に役立つ。

項目意味確認ポイント
Pixel PitchLED間隔表示精度・用途との整合性
Brightness輝度屋外なら5,000cd/m²以上
Refresh Rate書き換え速度動画使用なら3,840Hz以上
Module Sizeモジュールサイズメンテ・交換のしやすさ
Cabinet Sizeユニットサイズ運搬性・設置面積
IP Rating防塵防水等級屋外ならIP65以上が望ましい

LEDビジョンは“面積が大きい=高性能”とは限らない。使用目的・設置場所・予算に応じた適切な仕様選定こそが、導入成功のカギを握るのだ。

まとめ|機器構成の理解

LEDビジョンは本体だけでなく、再生・制御・配線を含めたシステムとしての理解が重要です。
個々の役割を把握しておくことで、トラブル時の判断や運用設計に差がつきます。
「何が必要か」ではなく「なぜ必要か」を掴んでおきましょう。

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