8-1 なぜ「選定」が導入成功を左右するのか
LEDビジョンは同じ「P2.5」や「P4」などの表記でも、メーカーや仕入先によって品質・サポート体制・寿命が大きく異なる。
また、近年では中国製製品を使っていても、設置や保守は国内の販売会社が行う「商社モデル」が一般的となっている。
そのため、導入者にとっての重要な判断軸は「何を買うか」ではなく「誰から買うか」である。
8-2 海外主要メーカーの特徴と比較
LEDビジョンの世界市場は、中国メーカーが圧倒的シェアを持つ。その中でも、信頼性・導入実績のある代表企業を紹介する。
| メーカー名 | 特徴 | 主な採用先・用途 |
|---|---|---|
| Absen(アブセン) | 世界シェア上位。高輝度・堅牢性に定評。グローバル展示会の常連。 | スタジアム、空港、ショッピングモール |
| Unilumin(ユニルミン) | 高精細製品と映像制御技術に強み。屋内演出向けに多く採用。 | 展示会、舞台演出、常設看板 |
| Leyard(レイヤード) | 北京五輪公式採用実績あり。小間ピッチに強い | 官公庁、商業施設 |
| Ledman(レッドマン) | コストパフォーマンス型。中小型導入に向く | ローカル店舗、レンタル会社 |
| QSTECH | スポーツ分野での実績が多い | スコアボード、競技場 |
※どのメーカーもパネルそのものは高性能だが、ファームウェアや制御ソフトの扱い方には“クセ”があるため、サポート体制がカギとなる。
8-3 国内の販売会社・代理店の分類と特徴
国内でLEDビジョンを導入する場合、基本的には「仕入れ・施工・サポート」を担う販売会社/ベンダーを通じての導入となる。
以下は代表的な事業者とそのポジショニングである。
| 会社名 | 特徴 | 強み | 想定顧客層 |
|---|---|---|---|
| PDC(パナソニックグループ) | 国産品質+中国製LEDの融合 | 信頼性・官公庁実績 | 官公庁、商業施設 |
| ヒビノ | 舞台・音響分野のノウハウあり | 大型ビジョン・音響連携 | アリーナ、ホール |
| クラウドポイント | 都市開発・広告媒体に強み | 施工と収益化提案がセット | 不動産、広告代理店 |
| アビックス | 自社ブランド製品あり | 自社設計/全国対応 | 中堅企業、店舗系 |
| LED東京 | 中国製高コスパモデル中心 | 価格重視/レンタル対応もあり | 飲食店、小売店 |
| オール | 小規模案件にも柔軟 | デザイン性の高い提案 | 店舗デザイン会社、個人事業主 |
ポイントは、「販売会社によって、仕入れ先・扱える製品・得意業種が全く異なる」ということ。
導入者は、自社の目的に合った“業界理解のある会社”を選ぶ必要がある。
8-4 レンタル会社の選定視点
短期イベントや仮設現場での使用には、レンタル会社の活用が現実的。
代表的な企業は以下の通り。
| 会社名 | 強み | 製品傾向 | 対応エリア |
|---|---|---|---|
| タケナカ | 音響照明含めた総合レンタル | 大型演出対応 | 全国 |
| LEDTOKYO株式会社 | 自社倉庫完備/価格勝負型 | P3〜P6中心 | 関東〜関西 |
| アイレス | 放送・舞台機材に強み | 高輝度・映像連携 | 関西中心 |
| パンダスタジオ | スタジオ併設型レンタル | 短期対応・持ち帰り可 | 関東 |
※レンタルでも、映像ソース(PC)・制御ソフト・設置作業が含まれているかを必ず確認すること。
8-5 ベンダー選定時のチェックポイント
選定時は、「スペック」だけでなく**“関係性”と“信頼性”を重視する**ことが後のトラブル防止につながる。
● チェックリスト(例)
- 導入実績:同業界・同規模の納入事例があるか?
- 提案力:ヒアリング内容に即した提案か?テンプレではないか?
- 保守体制:納入後の修理・交換・電話サポートの有無
- 設置力:協力会社ではなく自社対応か?施工責任はどこか?
- 価格体系:一式見積か、工事・送料などが分離しているか?
- ソフト対応:映像再生ソフトの導入・設定まで行ってくれるか?
8-6 複数社の比較とベストパートナーの見つけ方
最終的な選定は、3社程度に相見積もり・提案依頼を出すのが理想的。
| 比較軸 | 質問例 |
|---|---|
| 技術力 | 「ピッチ数は同じでも、映像の滑らかさが違うのはなぜか?」 |
| 施工体制 | 「屋根設置を検討しているが、風荷重計算は可能か?」 |
| アフター対応 | 「落雷で故障した場合のサポート体制はどうなるか?」 |
→ 提案内容・対応スピード・資料の質などを見れば、その会社の「本気度」が分かる。
LEDビジョンは“安い買い物”ではない。だからこそ、**最も大切なのは「一緒に考えてくれるパートナーを選ぶこと」**である。
製品の見た目だけでなく、導入後の「安心」を提供できる会社を選ぶことが、結果的に“コスト削減”と“価値最大化”につながる。
まとめ|信頼できるベンダー選びの視点
LED製品の品質だけでなく、「誰から買うか」=パートナー選びが成功と失敗を分けます。
提案力・対応力・サポート体制のある業者は、トラブル発生時や運用中にその真価を発揮します。
価格ではなく「対応に納得できるか」を重視する選定が理想です。

